【犬編】第5回:耳そうじ
耳そうじの効用
効用
- 耳の中を清潔に保てる
- 耳の病気をいち早く発見でき、ひどくなる前に治療を受けさせることができる
- 外部寄生虫(ダニなど)を早く発見し、取り除くことができる
- 耳からの悪臭を防止し、快適な共同生活を送ることができる
ある調査によると動物病院に来院した犬に最も多い疾病が外耳道炎との報告があります。
定期的な耳そうじは耳を清潔に保ち、外耳道炎予防にも役立ちます。耳そうじの折に耳の内部に異変を感じたときはいち早く動物病院での治療を受けさせることもできます。
また、耳の中に寄生したダニを発見することもできます。 眼や口の周囲のダニは気づくことが多いのですが、耳の中は意外と盲点です。
耳そうじのコツ
耳そうじの道具
-
脱脂綿・ガーゼ
ティッシュ、ウェットティッシュでも代用できます -
綿棒
慣れない場合は耳垢などを耳の奥に押し込んだり、傷つけたりすることもありますので注意が必要です -
イヤークリーナー
動物病院で入手できます
耳そうじへの慣らし方
子犬の頃から定期的な耳そうじに慣らしておきます。
- しつけの一環(耳そうじをやっている間は静かにする=服従訓練)と位置づけます
- 褒めることで「耳そうじは楽しいこと」と思わせます(爪切りと異なり耳掃除を喜ぶ犬が多いようです)
- なるべく短時間で終わらせるようにします
耳そうじのポイント
耳そうじに慣らしておく
- 初めての耳そうじで痛みを与えない
- まずは片耳から段階的に慣らしていく
- 一人で無理なら二人で行う
明るいところで
- 耳の中がよく見えるよう明るい場所で行う
- 赤くなっていたり(発赤)、腫れていたり(腫脹)、カサカサがあったり(落屑)、ジクジクしていたり(滲出液)、ニオイが異常に強いときは耳そうじを止めて、動物病院に相談する。
イヤークリーナー(またはぬるま湯)で濡らしたガーゼなどで耳介の内面を拭き、次に耳の穴を掃除する
- 傷つけることのないよう、強く擦らない
- 乾いた素材で拭くと傷つけるときがある
- 力を入れ過ぎないで優しく拭く
- 耳の根元を軽く揉む (耳垢を浮かす)
- ブルブルをさせる(イヤークリーナーが残らないように)
- 耳そうじに慣れていない場合は綿棒を使わない
耳の奥は専門家に
- 耳の奥の掃除は危険を伴うので専門家(動物病院)に任せる(犬が急に動いて傷つけたり、耳垢をよけい押し込んだりする)
- 無駄毛も処理してもらう
注意点
- 犬が嫌がったら無理にやらないこと
- 耳そうじを行う人の爪を切っておくこと
- 一人で無理な場合は二人で行うこと(一人が保定)
- 水分が残らないよう注意すること
- 力を入れ過ぎて耳の中を傷つけないこと
- アルコールなどで脂分を完全に拭き取るのはかえってよくない
- 無理なら専門家(動物病院)に依頼すること