飼い主としての心構えと準備についてPreparation as pet owner
犬や猫との生活で気をつけること
子犬や子猫を迎える際は、それぞれの特性に合わせた準備が必要です。そのために大切なのは、飼い主側の心の準備です。
犬や猫を迎え入れると、10年以上の歳月を共に過ごすことになります。犬や猫との生活はとても楽しい反面、経済的な負担は増しますし、手のかかることも多いです。最期まで責任をもって飼うことができるのか、しっかり事前の情報収集をして検討するようにしてください。
また、家族全員の同意を得ていることも重要です。犬や猫を育てていくためには、家族全員の理解と協力が必要です。さらに小さな子どもがいる家庭では、犬・猫のアレルギーがないかどうかも事前に確認しておきましょう。
「やっぱり飼えなかった」という不幸な結末にならないためにも、本当に子犬・子猫を迎え入れられる環境なのか、十分に考慮してください。
準備1:ペット用品を揃える
子犬・子猫が生活するために必要なペット用品を揃えましょう。
犬・猫共通
- 食事:容器(フード用と飲み水用)、フード容器、計量カップなど
- 遊び:ボール、おもちゃなど
- 日常ケア:ブラシ、クシ、シャンプー、爪切りなど
- 移動:キャリーバッグなど
室内犬の場合
- 居場所:ケージ・サークルなど(安心できる場所の確保)
- 寝場所:ベッド・マット・毛布・バスタオルなど
- 散歩:リード、首輪、迷子札など
- トイレ用品:おしっこシーツ、トイレトレー
猫の場合
- 居場所:キャットタワーなど上下運動ができるアイテム
- トイレ用品:トイレ容器、猫砂
- その他:爪研ぎ用具など
犬は二次元で動きますが、猫は三次元で活動します。特に室内飼いの猫は「自分のいる環境が全て見える」場所を求めます。高さのあるアイテム(高さを違えた棚、キャットタワーなど)を用意し、動き回ることができるスペースを最大限に広げてあげましょう。
外の景色も見えるようにしておくと、猫にとって社会的刺激のある住み良い環境となります。
外の景色も見えるようにしておくと、猫にとって社会的刺激のある住み良い環境となります。
準備2:フードを用意する
まずは、これまで子犬・子猫が食べてきたフードを参考にしてみましょう。フードの種類や量、与える頻度や間隔を購入元に確認してください。
追加したほうが良い副食や、成長期の食事についても質問しておくと参考になります。
追加したほうが良い副食や、成長期の食事についても質問しておくと参考になります。
子犬・子猫の健康状態に合わせたフードを取り入れるのも良いでしょう。かかりつけの動物病院に相談してみてください。
準備3:犬・猫に合わせた部屋対策をする
一緒に暮らす犬・猫が快適に過ごせるよう、室内の環境を整えておきましょう。日常の何気ないものが子犬や子猫にとっては危険なこともあります。
危ないものを置かない
子犬や子猫は想定外のものをおもちゃにして遊んだり、口にしたりします。例えば、電源コードはかじって遊ぶことが多いものの一つです。
かじっているうちに感電してしまう危険性があるので、電源コードをカバーで覆うなど、工夫をしましょう。
かじっているうちに感電してしまう危険性があるので、電源コードをカバーで覆うなど、工夫をしましょう。
また、ビニール袋や紐類も好んで遊びます。遊んでいるうちに食べてしまい、消化できず、最悪腸閉塞を起こす危険性があります。
棚や床など目につく場所に危なそうなもの、人間の食べ物などを置いておかないよう、整理整頓を心がけてください。
棚や床など目につく場所に危なそうなもの、人間の食べ物などを置いておかないよう、整理整頓を心がけてください。
脱走を防ぐ
犬や猫は、窓や網戸のちょっとした隙間に手をかけて開けることができます。窓や網戸のロックを購入したり、脱走防止柵を設置したりして、脱走できないよう工夫しておきましょう。
特に猫はジャンプ力が高く、細い隙間でも通り抜けることができるので脱走防止の対策は必須です。
特に猫はジャンプ力が高く、細い隙間でも通り抜けることができるので脱走防止の対策は必須です。
準備4:犬・猫の社会化について知る
社会化とは、犬・猫が仲間や人間とのふれあいを通して情緒性を育み、生き方の基本を身に付けること。ペットとして人間社会で幸せに暮らすためにも必要な学習です。
社会化は生まれてからごく小さい時期に、どんな環境で、どのように過ごしたかが大きく関係してくるといわれています。
子犬・子猫を迎える際には、それぞれの社会化を意識するようにしましょう。
<犬の場合>子犬・子猫を迎える際には、それぞれの社会化を意識するようにしましょう。
犬の社会化は生後3~4カ月までが大切な時期だといわれています。
生まれてすぐに母犬、兄弟姉妹犬との間で社会化は始まっていますが、迎え入れてからもいろいろな経験をさせて社会化を進めてください。
社会化のポイント①:人間社会に関わるあらゆるものに慣れさせましょう
- 人:老若男女、サングラスや眼鏡をかけている人、髭がある人、車いすの人、宅配便の人、病院の先生など
- 乗り物:車・電車・自転車・バイク
- 動物:大型犬・中型犬・小型犬、オス・メス、他種動物など
- 音:インターフォン、救急車のサイレン、花火、雷など
社会化のポイント②:たくさん遊んであげましょう。
犬と良い関係を築くために、できるだけ子犬と関わるようにしてください。一緒に遊んであげることはもちろん、子犬にたくさん触れてあげましょう。頭や顔、口周り、お腹、背中など人に触られることに慣れさせることも大切です。
うまく社会化ができないと、将来問題行動につながる可能性があります。例えば、特定の音への恐怖心から無駄吠えをしてしまうこともあります。問題行動を引き起こさないためにも、子犬のうちから社会化の機会をつくってあげてください。
<猫の場合>猫の社会化は生後7週齢ごろまでに終わるとされています。そのため、猫の社会化はブリーダーの育て方で決まると言っても過言ではありません。
7週齢ごろまでに、兄弟姉妹猫と十分に遊ばせる、できるだけ人の手で触ってあげる、面白く複雑な環境を与える、人の生活を見せる、生活音を聞かせる、さまざまな人に会わせるなどの社会化を進めてくれていることが望まれます。
ただし、迎え入れてから何をしても無意味というわけではありません。社会的・環境的両方の経験をさせることは変わらず重要ですし、社会化できていないもの(こと)を発見することにも役立ちます。
特に6カ月齢までは社会化の機会をつくってあげるようにしましょう。
準備5:かかりつけの動物病院を決めておく
子犬・子猫の健康を守るために、ワクチン接種や感染症対策、定期的な健康診断をすることが望ましいです。犬の場合は、狂犬病予防法により生後91日以上での登録と狂犬病予防注射が義務付けられています。また、狂犬病予防注射は毎年必ず受けなければなりません。そのため、子犬・子猫を迎え入れる前に、信頼できるかかりつけの動物病院を決めておくと安心です。
迎え入れたら、かかりつけの動物病院でワクチン接種のスケジュールや避妊・去勢手術などの相談をするようにしてください。
準備6:犬・猫との散歩、遊びの時間を確保する
子犬・子猫を迎え入れる前に、きちんと散歩や遊びの時間がとれるよう、飼い主側のライフスタイルを見直しておきましょう。
犬・猫にとって、運動は健康を保つだけでなく、欲求不満から起こる問題行動を予防する役目があります。特に、子犬や若い犬は相当な運動量を要求します。ストレス解消、問題行動の予防などのために、運動によるエネルギー発散が必要になることを認識しておいてください。
運動量は個体によって異なります。目安としては、外から連れ帰ったときに、犬が落ち着いて休息の姿勢を取るようであれば、十分な運動量だといえるでしょう。ただし、たくさん運動させれば良いというものでもありません。成長の早い犬種では、過度の運動によって股関節異形成などの骨・関節疾患を誘起することがあるので注意しましょう。
犬、猫のおもちゃについて
割れたり、飲み込んだりするような素材・大きさのおもちゃは使用しないようにしましょう。
特に犬の場合は、人が身につける物(手袋、靴下、靴など)、人の手・足、生活用品(タオル、毛布など)をおもちゃにしてはいけません。
それらを犬がおもちゃだと認識すると、その後さまざまな問題につながることになります。
特に犬の場合は、人が身につける物(手袋、靴下、靴など)、人の手・足、生活用品(タオル、毛布など)をおもちゃにしてはいけません。
それらを犬がおもちゃだと認識すると、その後さまざまな問題につながることになります。
準備7:子供に犬・猫との接し方を教える
子どものいる家庭では、子どもにも犬・猫について事前に教えてあげると良いでしょう。子どもにとって、可愛らしい子犬や子猫はぬいぐるみの代替おもちゃになってしまう可能性があります。
また、大きな声で驚かしたり、執拗に追いかけたり、乱暴に扱ったりすることがあるかもしれません。
子犬・子猫の扱い方、接し方などを説明し、子犬・子猫にとって負担にならない環境をつくってあげてください。
また、大きな声で驚かしたり、執拗に追いかけたり、乱暴に扱ったりすることがあるかもしれません。
子犬・子猫の扱い方、接し方などを説明し、子犬・子猫にとって負担にならない環境をつくってあげてください。