【犬編】第3回:シャンプー
シャンプーの効用
効用
- 汚れを取る
- 抜け毛を取る
- 臭いを弱める
- 外部寄生虫(ノミ・ダニ)を発見する
- 被毛、皮膚を清潔に保つ
- 親子関係の強化の一助
シャンプーの効用はブラッシングとほぼ同様です。汚れ、抜け毛を取り、臭いを弱めることができます。ブラッシングで発見できなかった外部寄生虫を見つけることもできます。犬の皮膚はデリケートです。定期的なシャンプーで被毛・皮膚を清潔に保つことは、皮膚病予防にも欠かせないことです。
ブラッシングはほとんどの犬が好きですが、シャンプーはそうではありません。一部の犬達はシャンプーが大嫌いです。シャンプーとなると逃げ回ったり、シャンプー中も大騒ぎしたりします。しかし、犬は嫌々ながらも命令に従って、大人しくせざるを得ませんので、家庭内で「親が子を」支配することの一助になります。
シャンプーのコツ
シャンプーの流れ
人の洗髪は、お湯で髪全体を濡らし(予備洗浄)、シャンプーを使って髪の根元からよく洗い(本洗浄)、シャンプーが終わるとリンスやコンディショナーを使い、その後お湯ですすぎます(すすぎ洗浄)。
洗髪後はタオルで水分をよく取り、ドライヤーで乾かします。最後の仕上げはブラシやクシです。
犬のシャンプーも一連の流れは人とまったく同じです。しかし、配慮すべきことは犬の皮膚が人ほど丈夫でないことです。優しく、しっかりと洗い、かつシャンプー成分を残さないことが肝心です。
シャンプーのポイント
- 念入りにブラッシングする(もつれ毛、毛玉をほぐしておく)
- 爪切り、足裏などの毛刈り、肛門嚢(のう)しぼりをする(無理であれば動物病院へ)
予備洗浄
- お湯の温度は犬の体温と同じ程度(38℃前後)にする
- 「尾→尻→背中・腹→首→頭」の順にお湯をかける(顔より遠くから濡らす。耳に水が入らないよう注意)
- 毛の根元、地肌もよく濡らしておく
本洗浄
- 十分に泡立つ量のシャンプーを満遍なくかける(シャンプーをお湯に溶かして使うのも一方法、少量ずつシャンプーを手にとって洗う方法も)
- 洗う順は予備洗浄と同じ(尻から頭へ。目や耳に入らないよう注意)
- 手のひら、指の腹でマッサージするように優しくしっかりと洗う
- 短毛種は毛並みに逆らって、長毛種は毛並みに沿って洗う
- 脇、内股、足の裏、爪なども忘れずに洗う
- 必要であれば二度洗いする(一度目は軽く、二度目は念入りに)
すすぎ洗浄
- リンスは少量をのばして使う
- シャンプー・リンス成分を残さないよう十分にすすぐ
- 予備洗浄や本洗浄とは逆に上から下へすすぐ(頭・首 → 背中 → 尾 → 腹 → 足)
- 脇、内股、腹、尾の付け根、足の裏などシャンプー成分が残りやすい部分は念入りにすすぐ
乾燥
- 犬に身震いさせる(耳の中に息を吹きかけると身震いします)
- タオルで水分をよく拭き取る(上から下へ)
- 地肌、毛の根元、足の裏なども十分に拭く
- ドライヤーは熱過ぎないよう注意する(ブラシをうまく使い、手際よく乾燥させる)
仕上げ
- 乾燥後にブラシ・クシで仕上げる
- 耳に入った水は綿棒で拭き取る
注意点
- 子犬、老犬、妊娠犬のシャンプーは控えめに
- 皮膚病があるときは自己判断でシャンプーをしない(動物病院での治療を)
- シャンプー選びに注意する(香料が強すぎない、刺激が強すぎないなど)
- 過度のシャンプーは控える(目安は2週~1カ月に1回程度)
- シャンプー嫌いの犬は無理せずに専門家(トリマー)に任せる
シャンプー選び
シャンプー選びには苦労します。香料があまり強くなく、刺激が少ないシャンプーが良いでしょう。人用シャンプーは犬には強すぎます。犬専用のシャンプーを使ってください。皮膚が敏感な犬には低刺激性シャンプーもあります。分からないときは動物病院に相談しましょう。また、皮膚にトラブルがある場合、自己判断でシャンプーをせず、まずは動物病院に相談しましょう。
過度のシャンプー
過度のシャンプーは被毛・皮膚に良くありません。毛のつや・弾力が落ちますし、場合によっては皮膚にトラブルを生じることもあります。適度な間隔でのシャンプーを心がけてください。
シャンプーは犬にとってストレスになります。子犬、老犬、妊娠犬、体調が悪い犬ではシャンプーは控えめにしてください。
シャンプー嫌いの犬
あまり無理せずに専門家(トリマー)に任せることも一方法です。また、汚れが目立つ部分を蒸しタオルで拭く、水のいらないシャンプーを使ってブラッシングするという方法もあります。