【猫編】第4回:その他の問題行動

全4回の最終回です。その他の問題行動として、真夜中の要求行動、爪研ぎ、破壊行動を紹介します。

真夜中の要求行動

元来、猫は夜行性の動物です。真夜中に、鳴いたり、ドアを引っ掻いたり、ベッドの上で遊んだりすることがあります。家族の注意を引くため、食べ物がほしくて、遊びたくてなどが理由のようですが、何回も起こされる側は睡眠不足で困り果ててしまいます。これが「真夜中の要求行動」です。この困った行動は、実はこちら側の普段の接し方が原因のことが多いようです。猫の要求に対していつでもどこでも何にでも応じてしまうと、猫は勘違いしてしまいます。

対処法は二つです。真夜中の要求行動に「罰を与える」、そして「行動を矯正する」です。

対処法

罰を与える
  • 行動が始まったらすぐに叱る
    (声で叱ることも可ですが、音・水での天罰を)
  • 叱る強さは行動をすぐにやめる程度
    (猫から無視されるほど弱くなく、猫が恐怖を感じるほど強くなく)
  • 毎回叱る
    (叱ったり叱らなかったりの気まぐれでは直らない)

行動を矯正する
  • 寝室に猫を入れない
  • 鳴いても、寝室のドアを引っ掻いてもドアを開けない
  • 話しかけたり、音を出したりしない
  • 当初は普段より要求行動が強くなるが、それを我慢する
  • 真夜中の要求には一切応じない

爪研ぎ

猫の爪研ぎには二つの意味があります。一つは爪の古い外層を取って鋭さを維持することです。もう一つは縄張りを主張するマーキングの役割があります。
体を伸ばして爪研ぎをしますので、垂直な面が対象です(水平面のときもあります)。猫にとって正常な行動ですが、家具・建具を傷つけられると問題とせざるを得ません。
特定の1、2カ所での爪研ぎは、主として爪の維持が目的です。一方、たくさんの物(特にドアの近く、通路)での爪研ぎは、縄張りをマーキングしたい欲求が動機と考えられています。

対処のポイントは、
「爪研ぎの目的をこちらが理解する」
「その猫が好む爪研ぎ板を見つけ出して与える」
「爪研ぎ場所(爪研ぎ板)を使うようきちんと教える」
「爪研ぎをされたくない場所はそれなりの工夫を施す」

です。

対処法

困る物で爪を研いでいるときに天罰を与える
  • あたかも神の仕業のように音、水などで
  • 鏡などを利用してどこからでも猫が見えるようにしておく

特定の場所であれば、そこにカバーや嫌いな臭いをつける

アルミホイルでカバー、ペット忌避剤の使用

その猫が気に入った爪研ぎ板を与える
  • 最初は爪研ぎを行った場所のそばに
  • 徐々に猫が眠ったり、遊んだりする場所の近くへ
  • 垂直に立てて
  • 爪研ぎ板の更新は慎重に:気にいらないこともある

爪研ぎ板を使用できたら食べ物などのご褒美を与える

破壊行動(噛んで壊す)

物を噛んだり、吸ったりする癖のある猫は、噛むことで家具などを傷つけることがあります。遊びや探索に対する欲求と考えられます。
屋外の草や植物に触れる機会がない室内飼育の猫は、室内の鉢植えなどを噛むこともあります。

対処法

入室できる場所を制限する
噛まれたら困る物に猫を近づけない

噛まれたら困る物には嫌いな味・臭いをつける
  • ペット忌避剤などをつけておく
  • 鉢植えのそばに風船を結びつけておくのも一方法

近づいたら天罰を与える

代わりに噛む物を与える
  • おもちゃは相互作用的なもの、つまり触ると反応するものが良い
  • おもちゃに魚油などをつけておく
  • 猫用草を室内に準備する

留守番前は遊ばせる
不在時に破壊行動がある場合